ヘビー級ボクサー高橋良輔 公式サイト
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高橋良輔、アパ・ナナイ選手を6ラウンドTKOで制す。後楽園ホールを興奮のるつぼに

良輔入場 良輔リングイン
東洋太平洋(OPBF)ヘビー級7位の高橋良輔は、2005年7月28日、東京・後楽園ホールで行われたヨネクラプロモーション主催のダイナミックグローブ・セミファイナル戦で、オーストラリアのアパ・ナナイ選手を6回TKOで破り、満員の後楽園ホールを興奮のるつぼに変えた。 アパ・ナナイ入場
良輔は、OPBFヘビー級の王者をめざし、本年3月23日、東洋太平洋ヘビー級タイトルマッチ12回戦で、王者オケロ・ピーターと果敢に戦った。しかし、王者の強打に屈し、3回、立ったまま10カウントを宣言されKOで敗れた。それ以来約4ヶ月、所属する金子ジムの金子健太郎会長、飯田トレーナーなどから厳しいトレーニングを受けると同時に、かつてのK1選手、ニコラス・ペタスさんの道場で重量級のキックボクサー相手に数多くのスパーリングをこなし、今日の試合に向けて鍛錬を重ねてきた。計量時の体重は91キロ、身長は183センチ。戦績は18戦13勝(7KO)4敗1分。 コール
アパ・ナナイ 良輔
一方のアパ・ナナイ選手は、出身はニュージーランドで、オーストラリアに移って12年あまり。現在シドニーに住む。この3年間のプロボクサーとしての戦績は6戦2勝3敗1分。年齢は良輔と同じ32歳。計量時の体重は120キロ、身長196センチである。身長差の13センチも大きいが、体重差は30キロもあり、良輔の第一印象は「デカイ!!」だった。良輔を倒してOPBFのランカーを獲得しようという意気込みが、入場時のリングを見上げる目の輝きに強く感じられた。
1R 1R
ゴングが鳴った! アパは飛びだすようにして攻めてくる。1ラウンドは、良輔にとって様子見のラウンドである。どんなパンチをだすか、どんな距離からパンチを繰りだしてくるか。
1R 意外だった。パンチの応戦で良輔が感じたのは、「重い!」ということ。ひょっとしたら前回戦ったオケロより重いかもしれない。体重がオケロより10キロ重いのは事実だ。だが、パンチの重さは体重だけで決まるわけではない。それに攻撃が多彩だ。ジャブ、ストレート。カウンターが入った瞬間のフック。あるいはいきなりボディーからフックと、コンビネーションがうまい。
2ラウンド。アパの激しい攻撃が続く。グラブがお互いの肉体を打つ音、グラブとグラブの交差音が大声援の後楽園ホールにドラムのように響き渡る。この音もボクシング重量級の醍醐味の一つだ。 2R
2R
良輔は、セコンド陣から、3ラウンドあたりまで相手を疲れさせる戦法をとるようにと指示されていた。しかし、アパは果敢に攻めてくる。攻めてくる時がカウンターのチャンスだ。倒したいという思いが体をつき動かす。だから、打つ。そして打つ。そして打たれる。クリーンヒットは受けていないが、一つ一つのパンチが重い。良輔の顔は腫れ上がってきた。
3R 3R
アパは3ラウンドに大きなピンチを迎えた。良輔は手数が多い。スピードあるパンチが次々とアパを砕く。良輔は言った。身体の大きな選手にとっては、相手のすばやいスピードに合わせるのは至難の業だ。合わせようとしていると体力が激しく消耗する。
流れが変わった。アパの劣勢は、誰の目にも明らかだ。これを意識してか、アパは3ラウンド終了時、笑顔を見せ、両腕を上げて健在さをアピールした。
3R
3ラウンド終了後のインターバル。良輔は手応えを感じた。それが身体に落ち着きを与える。 3R終了
4R 4R
4ラウンドは、良輔が圧倒的に打ち勝った。とは言え、がむしゃらな攻撃は禁物である。ときおりアパの重い右ストレートが空気を切り裂いて襲ってくる。 4R
4R 獲物を狙う鷹のような良輔の眼差し。絶対に相手から目を離さない。
4R 4R
5R 5ラウンド、手数が減らない良輔。スピードも少しも落ちない。アパは、不安と恐れを感じ始めた。
疲れた。まともに良輔の左フック、ストレート、アッパーなどを浴びる回数が多くなった。 5R
5R 良輔の左ボディーがアパのレバーを粉砕する。大男のアパでも、これはさすがに効いた。
もう嫌だと、一時は逃げ腰。 5R
アパ・ナナイ 良輔
5R後 5ラウンド終了後のインターバル。アパは戦意喪失。
6ラウンド開始ゴングが鳴った。アパは立ち上がると背中を見せて、リングロープにしがみついた。ギブアップである。

レフェリー、両腕を交差させて試合終了を告げる。公式記録は6回10秒TKOで良輔の勝利。
試合終了
喝采
良輔 納得行かない良輔。これから仕留めてやろとうという意気込みが無惨に砕かれてしまった。

しかし、観客は大喜び。
アパの祝福。あまり嬉しくない。 祝福
勝利 勝ち名乗りを受ける良輔だが、表情は冴えない。
リングを降りる しっかり倒せなかった無念さに、顔を上げてお客様に挨拶するのもはばかれるような気分だったと良輔は語った。
巨漢ボクサーのアパだが、心は優しく、人なっこい。試合後の控え室前のベンチで顔を合わせると、にっこり微笑んだ。「試合の感想は?」と早速聞いた。
「リョースケは、多彩なテクニックをもつボクサーだよ。それにスピードがあり、パンチが鋭い」
「6ラウンドでなぜギブアップしたの?」 「この回で『ターミネート』されてしまうと恐れたんだ。命あっての物種というだろう」(ターミネートとは、殺されるということ!!)
アパ・ナナイ
取材 試合後の控え室で、大勢の記者が良輔を取り囲んだ。今日の試合の感想と、今後の展望に質問が集中した。
良輔は答えた。「巨漢選手と実戦経験を積んで、自分のレベルを高めながら、次に訪れるチャンスを待ちたい。相手が再度オケロであろうとなかろうと、日本人初のOPBFヘビー級王者に就くことが私の目標です」
(写真・文)山口明雄
       
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